2 つの PDF を比較して、どこが変わったかを正確に見る
FreePDFチーム ·
契約書が先方の弁護士から agreement_v3_FINAL.pdf という名前で戻ってきました。変更履歴はなく、どこを直したかのメモもありません。二つの版を並べて読むのも一応は成立しますが、9 ページ目まで来たあたりで「この条項は最初からこの文言だったか」が分からなくなります。二つのファイルをテキストで差分比較すれば、変更箇所は数秒で出てきます。
先に古いほうをアップロードする
順番は重要です。各行の色を決めるのがこの順番だからです。古い版を先に、改訂版を後にアップロードすれば、レポートは期待どおりに読めます。1 つ目のファイルにしかない行は削除として赤、2 つ目にしかない行は追加として緑、変わっていない部分は黒のままです。順番を逆にすると追加がすべて削除として出てくるので、間違いではないものの読みづらくなります。
返ってくるのは PDF のレポートで、注釈入りの原稿ではありません。冒頭に「何行追加・何行削除」の 1 行サマリーがあり、その下に本文全体が並び、左端に + と − の印が付きます。元のファイル 2 つを添えなくても、このレポートだけを人に渡せます。
比べているのは文字であって、見た目ではない
比較はテキストに対して行われます。契約書・規程・仕様書を確認するときはそれこそが狙いどおりで、デザインを確認するときは知っておくべき限界になります。
- 書き換えられた条項、変わった数字、消えた段落——すべて拾えます。
- 書体の変更、余白のずれ、差し替えられたロゴ、描き直された図。どれも検出されません。文字が同じだからです。
つまり「差分なし」というレポートは、二つのファイルが同じことを言っているという意味であって、見た目が同一という意味ではありません。確認したいのがレイアウトなら、両方を画像に変換して交互に見比べるほうが確実です。
小さな一箇所の修正で段落全体が色づく理由
差分は行単位です。そして PDF における「行」とは、レイアウトエンジンがその視覚的な一列に置いたもののこと。段落の頭に単語を一つ差し込めば、そこから先の語はすべて別の行へ押し出されます。以降どの行も一致しなくなり、段落まるごとが「削除されて、また追加された」ように表示されます。
見た目は派手ですが、問題ではありません。赤の塊と緑の塊を一組として読めば、実際の変更はたいてい一文のうちに見えてきます。ノイズを減らす方法が二つあります。
- 同じ元原稿から、同じ用紙サイズで書き出した版どうしを比べること。Word を別の用紙サイズで書き出し直すと全文が組み直され、レポートは使い物になりません。
- 200 ページのマニュアル全体ではなく、該当する章だけを比べること。先に両方を同じページ範囲で分割しておけば、レポートは実際に読み切れる長さに収まります。
スキャンは先に OCR が必要
スキャンはページの写真です。比較すべき文字が入っていないので、レポートは空になるか意味をなしません。まず両方を OCR に通し(ページの見た目は変えずに文字の層を足します)、その結果を比較してください。OCR の誤認識が差分として出てくることは受け入れる必要があります。rn を m と読めば、二つのページが同一でも、抽出されたテキストとしては本物の変更です。
よくある質問
Word 文書と PDF を比較できますか?
先に Word を PDF に変換し、PDF どうしで比較してください。Word と元の PDF を作ったソフトとでは改行位置が一致しないので、折り返し由来のノイズはある程度出ますが、実質的な変更ははっきり浮かび上がります。
ページのどこが変わったかまで分かりますか?
ページ番号としては示されません。レポートは文書の読み順どおり上から下へ並ぶので、変更が出てくる順序は原稿と同じですが、前後関係を見るにはその行を元ファイルで検索することになります。たいていの確認作業では、コピーして Ctrl+F を押すだけで足ります。