PDF/A と普通の PDF の違い:PDF/A が必要になるのはいつ?
FreePDFチーム ·
ほとんどの PDF は、PDF/A にする必要がありません。請求書を送る、パンフレットを共有する、申込書に署名する。どれも普通の PDF で足ります。PDF/A が意味を持つのは、官公庁や大学、社内の文書管理規程などから、何年先でも同じように表示できるファイルを求められたときです。
PDF/A は「長期保存」のための形式
PDF/A は、使える機能を絞り、表示に必要なものをすべて自分の中に持たせた PDF です。ページを描くためのフォントを埋め込み、色を決まった方法で記録し、外部のソフトやファイルに頼る機能を締め出します。約束しているのは見た目の保存で、ずっと先に開いても元と同じ見た目で表示されることを目指しています。
- 普通の PDF で十分:日常のやり取り、印刷、フォーム、取引先への提出のほとんど。
- PDF/A を選ぶ:提出要項、文書の保存規程、アーカイブ先が PDF/A をはっきり指定しているとき。
- 先に OCR:スキャンした PDF で、あとから文字を検索したりコピーしたりする必要があるとき。
よく誤解されますが、電子帳簿保存法で請求書や領収書を電子保存する場合も、法律がファイル形式を PDF/A に限っているわけではありません。社内規程や保存システムの側で指定があるときだけ、それに従えば大丈夫です。
引き換えに失うもの
PDF/A は画質の設定ではなく、規格に適合させるための形式です。当サイトの PDF PDF/A 変換は Ghostscript で PDF/A-2b を作り、規格が認めない機能は取り除くか平らにします。JavaScript、音声や動画、パソコン上の別ファイルへのリンク、暗号化は残せません。フォントを埋め込むぶんファイルは大きくなりやすく、文字数の多い日本語フォントでは特に増えます。
そのため、作業中の文書を最初から PDF/A にするのは向いていません。まだ編集する、署名を集める、パスワードをかける、といった作業が残っているなら、それを済ませてから、保管用の最後のコピーとして PDF/A にしてください。変換したコピーには、そのあと手を加えないのが原則です。
PDF/A の検証に通っても、検索できるとは限らない
PDF/A が保存するのは見た目で、文字を作り出すわけではありません。スキャンしたページは、変換して検証に通ったあとも紙を写した画像のままです。文字を検索できる状態で保管したいなら、PDF/A に変換する前に OCR をかけてください。あとから OCR をかけるとファイルが書き換わるので、もう一度変換や検証をやり直すことになります。
当サイトの PDF OCR が読めるのは英語だけで、日本語のスキャンは認識されません。日本語の書類なら、自分のパソコンで ocrmypdf を -l jpn(縦書きは -l jpn_vert)付きで実行してください。ocrmypdf は初期設定で PDF/A を出力するので、OCR と PDF/A 化が一度で済みます。
30 秒で決める
- 提出先の要項を読む。PDF/A と書いてあれば PDF/A にする。
- 「PDF で」としか書いていなければ、自分で長期保存したい事情がない限り普通の PDF にする。
- 変換後のファイルを開き、珍しいフォント、フォーム、動画、色が大事な図版のあるページを確かめる。
よくある質問
PDF/A にすると普通の PDF よりきれいになりますか?
なりません。PDF/A の目的は、長い年月がたっても表示が変わらないことで、ページを鮮明にしたり見栄えをよくしたりするものではありません。今の時点では、普通の PDF とまったく同じ見た目になることもあります。
PDF/A のファイルにパスワードをかけられますか?
規格に適合したままではかけられません。PDF/A は暗号化を禁止しています。パスワード付きの作業用コピーは別に持っておき、保管用には暗号化していない PDF/A を、それが適切な場合にだけ残してください。